こんにちは。昨日と違い爽やかなお天気ですね。
今日はなんとなく昔ばなしをしたくなりました。
私が〇十年前の20代の頃の事です。(笑)
(長くなりますが。m(__)m)
会社勤めをして数年の新人の頃、私は全く使えない
社員でした。大雑把で細かい事務作業ができず、
トラブルメーカー的存在で何回か異動の後に人事に
配属され、旗振り役のような仕事をメインにして
いました。
人事の上司であるS課長は厳しく、私はよく怒られ
毎日S課長の机の前に立たされて指導されていました。
人事の同僚に几帳面で仕事は丁寧、明るく器量も良い
同い年のAちゃんという女子社員がいました。
Aちゃんは怒られてばかりの私をいつも優しく励まし
てくれていました。
ある日、Aちゃんの計らいでS課長のお宅へ休日に
2人でお邪魔することになりました。
私はいつも叱られてばかりの上司の家なんか行きた
くなかったのですが、Aちゃんの誘いに渋々同行し
たんです。💦
S課長のお宅は閑静な住宅街にある一戸建てでした。
S課長は会社と違い、その日は仕事の話は一切なく、
穏やかで優しい普通のおじさんでした。
明るい奥さまが手料理を沢山出してくださいました。
その手料理がものすごく美味しかったんです!
スペアリブ、ホタテと大根のサラダ、その他惣菜と
デザートのフルーツポンチまでありました。
中でもスペアリブはマーマレード入りの絶品でした。
若かったので遠慮もせず食べつくしました(笑)
ホタテと大根のサラダも作り方を教えてもらったり。
美味しいお料理と上司や自分達のプライベートな話
で盛り上がり、とても楽しい一日になりました。
その日以降、私はS課長の見方が変わりました。
厳しく叱るのは上司としての仕事であり、私の為。
それと、Aちゃんと比べて私は・・と比較し、勝手に
縮こまり卑屈になっていました。
私はS課長の言葉の意味を考えるようになり、前より
努力しました。それから数ヶ月後、私はまた転勤に
なり人事を離れました。人事のみんなは温かく私を
送ってくれました。
新しい仕事は、もっと気難しい所長の秘書でした💦
所長に決裁(承認印)をもらいにくる部下の方々は
必ず私に所長の機嫌を先に聞き、構える程でした。
秘書の仕事は上司とほぼ一対一なので合わないと
毎日がきついです。
私は所長との仕事に我慢しきれず、古巣の人事へ
終業後に行き、S課長に悩みを相談しました。
S課長はいつも社員が相談に来るとしていたように、
煙草を吸いながら私の話を聞いてくれました。
Aちゃんがコーヒーを紙コップで入れてくれました。
私は言いました。
「もう会社を辞めたい、我慢できない」と。
S課長は言いました。「あんたが辞めることはない。
上司はいつか変わるもんやでぇ」と。
笑いながら「自信を持って頑張れ、続けろ」と。
Aちゃんから後で聞いたのですが、S課長は私の事を
褒めてくれていたそうです。自分が育てた自慢の子
だと。直接S課長から褒められた事は一度も無いし、
まだ半人前なのにです。。・°°・(>_<)・°°・。
3年後S課長の言うとおり、所長は定年前の異動で私
は解き放たれました。気難しい所長でしたが、沢山
勉強もさせていただけました。
人事のS課長、同僚のAちゃん、気難しい所長、私、
今ではみんな退職してますが、年賀状の交換は
続いており、お正月の楽しみになっています。
漫画の「美味しんぼ」で、よく想い出の味の話が
出てきます。想い出の料理を食べただけでその日
の鮮明な記憶が蘇るというもの。
私もスペアリブ、ほたてと大根のサラダを食べる
度に、S課長のお宅を訪問した日の事を鮮明に思
い出すことができます。
料理ってすごい威力があるもんですね。
ではまた✋゛